藤浪復活!志願の完投星 あと2人…完封逃すも来季へ希望の7勝目

 「広島1-4阪神」(22日、マツダスタジアム)

 阪神がセ・リーグ王者に快勝した。天敵ジョンソンに対し、藤浪晋太郎投手(22)が圧巻の投球。九回にソロを浴びて完封こそ逃したものの、9回5安打1失点完投で7勝目を挙げた。今季は苦しいマウンドが続いたが、来季へ向けて光が差し込む137球だった。

 仲間とのハイタッチが心地いい。完封目前、藤浪は同級生の鈴木にバックスクリーン弾を浴びた。それでも悔いはない。真っ向勝負できる自信と余裕を取り戻したからだ。

 「真っすぐを狙ってるだろうなと思ったんですけど、九回で点差もありましたし、力勝負してみようかなと思ったら、あっさり打たれました。完敗です」

 今季2度目の完封こそ逃したが、手応えがにじむ今季7勝目だ。自己最速160キロをマークした14日・広島戦(甲子園)で好感触を得た。この日も最速153キロでファウル、空振りを奪う。2-0の七回2死二、三塁、代打新井を迎えたが、直球で三邪飛。指揮官に「(九回も)ぜひ、行かせてください」と志願し、球数137球を投げ抜いた。

 「バランス良くきれいにということはもちろんですけど、バッターとの距離を詰めたり間を作ったりということを意識して今日は投げたので、それがいい方に出たと思います」

 今季6戦4敗と苦戦してきたリーグ王者にようやく一矢報いた。今季の広島の強さは、圧倒的だった。夏場を前に、藤浪はカープ野球に舌を巻いていた。

 「強いですね。勢いもあるし全てがうまく回っていると思う。投打がガッツリかみ合っている。足を絡めて、若い選手、ベテランもバランス良くいる」

 弱点を突かれ、自分を見つめ直すきっかけにもなった。この日の試合前練習では珍しく2度キャッチボールを行い、フォームを確認した。投球練習以上に普段のキャッチボールを大切にする。金村投手コーチとの取り組みが実を結びつつある。

 「欲を言えば、完封を見たかったけど…。いつもより四球も少なかったし、真っすぐで空振りも取れていた。押し込むような真っすぐに見えたよ。悪い状態のまま終わるのと、いい投球をして終わるのとでは違うと思うし、岩貞の調子の良さも、刺激になっているのかもしれないね」

 金本監督はエースの復調にうなずき、好調岩貞との相乗効果を、要因に挙げた。コメントを伝え聞いた藤浪も「先輩が活躍しているので、しっかりしないといけないなと思っています」とニッコリだ。

 今後のチーム成績次第で今回がラスト登板となる可能性がある。藤浪は「もうシーズン終盤ですけど、本当はもっと序盤とか中盤でこういうふうになってくれば良かったですけど。いろいろ試行錯誤して遠回りしながらというか、やってきたことが一つ出たと思います」と言った。悩み抜いた1年。「なかなか勝てないですね…」とこぼした日もあった。苦悩の日々にサヨナラを告げ、再びエース道を歩んでいく。

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