金本監督と坂井オーナーが安芸で本腰会談 FA、トレード…補強方針詰める
阪神・坂井信也オーナー(68)と金本知憲監督(48)が、秋季キャンプ地の高知・安芸で直接会談することが5日、分かった。この日、大阪・野田の電鉄本社を訪ね、16年シーズンの報告を行った指揮官。既にフロントがFAや新外国人の戦略を練る中、坂井オーナーが安芸を訪問する11月4日に本腰を入れたトップ会談を行い、来季構想を煮詰める。
阪神電鉄本社の応接室は終始、和やかなムードだったという。四藤球団社長、高野球団本部長も同席した16年シーズンの報告会は時間にして27分間。坂井オーナーは、4位で初年度を戦い終えた金本監督を温かくねぎらった。
金本監督「すごくお気遣いをいただきまして…。『こういう戦力状況の中、苦労をかけたね』という、優しいお言葉をいただきました。呉昇桓もいない、主力選手も高齢化している、そういう時期にお任せして申し訳なかったと…。ただ、僕としてはそれも分かった上で(監督を)引き受けたわけで、それに甘えるつもりもないですし、オーナーが心遣いで言ってくれたものと思っていますので…」
覇者・広島に24・5差離され、4年ぶりにBクラスに甘んじた。チームは過渡期とはいえ、厳しい声があることも承知している。誤算も多かった1年。シーズン中から足りないものを補う構想を球団首脳らと共有してきた。来季へ向け、ドラフト、FA、新外国人など、既に補強戦略が練られ、フロント陣は坂井オーナーに途中経過を報告済みだ。
ただ、この日は「(補強の話は)出なかった」と金本監督は言った。一方で坂井オーナーは「ドラフトとか外国人とか総力を挙げていきましょうと(話した)。監督の力も借りなきゃいけないかもというのもある。選手を見る目というのもね。非常に慧眼(けいがん)でもあるし」と語った。この日が形式的な報告の場であれ、直接対話のタイミングはそうそうない。そこで、両者は改めて膝を突き合わせる約束を交わしていた。
球団関係者によると、坂井オーナーは11月4日に秋季キャンプ地の安芸を訪問し、金本監督、球団首脳と会食する予定だという。ドラフトは今月20日に終了する。FA交渉の解禁日は日本シリーズ終了後で、最短なら11月9日。つまりトップ会談の日取りとしては抜群のタイミングになる。ドラフトの成否を踏まえ、来季構想を煮詰める作業が高知で行われることになりそうだ。
金本監督「去年はできるだけ若い選手にチャンスを与えるので補強はいりませんということでしたけど、どの選手がどれくらいやれる、もう少し時間がかかりそう…など、はっきりと見えてきた。その上で(補強の)一番は攻撃力。外国人を含め補強は必要になってくる。投手でいえば先発よりも後ろを任せられる戦力。僕も意見しますけれど…」
金本監督が坂井オーナーに進言し、承諾を得る。11・4から虎の補強戦略が本格化する。