虎の恋人が快投!桜美林大・佐々木はG菅野級!年間7完封

 「首都大学野球、桜美林大1-0東海大」(8日、大田スタジアム)

 阪神などがドラフト1位候補に挙げる桜美林大・佐々木千隼投手(22)=日野=が、3安打完封で今季3勝目を挙げた。今春からリーグ戦では年間7完封。11年に東海大・菅野智之(現巨人)がマークした連盟最多に並び、8球団のスカウト陣の前で、あらためて即戦力の実力をアピールした。チームは14年春の1部昇格以来、東海大戦は11試合目で初勝利。悲願の初優勝に望みをつないだ。

 抑えていた感情が、一気に爆発した。佐々木千が本塁の傍らで思い切り飛び跳ねた。1点リードの九回2死二塁。中前打を浴びたが、中堅手の好返球で走者は本塁寸前タッチアウト。「負けたら優勝できない試合。すごく気合が入った。本当に勝ててよかったです」。先頭打者弾の“スミ1”を守り抜き、全身で喜びを表現した。

 勝負の一戦で本来の姿を取り戻した。最速147キロを計測した直球でグイグイと押した。スライダーやフォークなど変化球もコースに決まり、散発3安打。6奪三振にとどまったが、得点圏に4度走者を置いても最後の一線は越させなかった。

 1日の帝京大戦は、4失点を喫して延長十回サヨナラ負け。変化球に頼った投球を、津野裕幸監督(45)から「闘争心がなければ、お前の投球じゃない!反省しろ!!」と叱られた。翌日の2回戦は異例のベンチ外。それでも、朝から黙々と走り込みとキャッチボールをこなす姿があった。

 その後のブルペン投球は直球のみ。この秋は本調子でなかった直球の質を追求した。「打者に向かっていく姿勢を大事にして投げられた」と振り返ったエースに、何度も話し合ったという指揮官も「彼も本当に苦しかったと思う。今日はベンチでも今までにない怖いぐらいの表情をしていた。いい真っすぐを投げてくれた」と、声を詰まらせた。

 春の4度と合わせて年間7完封。53イニング連続無失点に続き、あの菅野に肩を並べた右腕は「勝てたことの方がすごくうれしい」と、69度の優勝を誇る盟主・東海大からの初勝利を喜んだ。通算13完封も、菅野の持つリーグ記録14にあと1だ。即戦力と呼ぶにふさわしい姿に、中日・中田スカウト部長も「安定感が増した。投球術を覚えつつある。打たせて取ることに徹して、逆に評価は高まっている」とうなった。

 20日のドラフト会議まで10日余り。佐々木千は「自分の勝負する場所が決まる。楽しみです」と、力強く胸中を語った。球団の柱となり得るMAX153キロ右腕。プロの世界に羽ばたく前に、悲願の初優勝を置き土産にする。

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