【超変革を検証】岩田、上本、良太、今成…中堅陣の誤算

 「超変革」のスローガンのもと、今季は若手が積極的に起用された。野手では高山、原口、北條が100試合以上に出場。投手では岩貞が10勝をクリアし、青柳、島本、横山がプロ初勝利をマーク。守屋、田面、望月も初登板を果たした。

 フレッシュなメンツが頭角を現した一方、中堅陣が苦しんだ1年だった。筆頭が岩田。2010年以来、6年ぶりに白星を飾れなかった。0勝3敗、防御率8・85。期待されていた先発4本柱としての仕事を果たせず、9月の中継ぎテストも失敗した。「(どう改善すべきか)分からないです…」。9月16日の登録抹消後、険しい表情を浮かべていた。

 フォーム作りに試行錯誤していた。シーズン前半は足幅を広げて腰を落としていたが、重心が高くなり、制球が定まらず、四球を連発した。2軍降格後は、かつて自主トレを共にした巨人・杉内を参考にフォームを修正。足幅を狭め、右足を下ろすときに左手でグラブをポンとたたいて間を作る投げ方。しかし、2軍でも好投を続けることはできなかった。

 それが精神的な部分にも影響したのではないだろうか。高橋2軍投手コーチは「2軍に落ちてきたとき、彼(岩田)は『自分の投げたいボールが生まれてこない』ということを言っていた。それが(フォームのブレに)つながったんでしょう」と指摘していた。

 岩田だけではない。打撃陣も結果を出せなかった。例えば選手会長・上本。過去2年間は100試合以上に出場していたが、今季は45試合。昨年の4本塁打、31打点から、2本塁打、8打点と下降線をたどった。

 新井良と今成もそうだ。開幕前は三塁を争うと予想されていたが、2人ともシーズン終了は2軍で迎えた。新井良は46試合で打率・154、3本塁打、8打点。今成は82試合で打率・227、0本塁打、5打点と悔しい成績に終わった。

 大和も春先は3割をキープしていたが、徐々に下降。最終的には打率・231に終わった。昨季一度も2軍落ちしなかった俊介は今季、ファーム暮らしが長かった。坂は1試合も出場できず、戦力外通告を受けた。

 「同じ力なら若いやつを使う」と金本監督が話していた通り、今後も中堅には厳しい状況が続くかもしれない。結果を出せなければ、出番は遠のいていくばかり。しかし、若手の躍進だけで頂点まで駆け上がることは簡単ではない。中堅陣の奮起もまた、優勝への大切な要素となる。

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