金本監督 藤浪にゲキ 大谷に「勝つと言え!」
阪神・金本知憲監督(48)が13日、藤浪晋太郎投手(22)の日本ハム・大谷への闘争心をかき立てた。高校時代からしのぎを削るライバルは二刀流に花を咲かせ、「日本のエース」に成長。今季7勝11敗とふがいない成績に終わった藤浪が後塵(こうじん)を拝する格好になったが、肉体改造で追いつけ追い越せと指令。悔しい気持ちをあえて言葉にし「勝つと言え!」とハッパをかけた。
二刀流の怪物と比較されて悔しいのは、藤浪本人よりも金本監督なのかもしれない。この日、甲子園球場で背番号19の調整を熱心に見守った指揮官は、あえてライバル心をあおるように「大谷」の名前を挙げた。
「晋太郎本人は大谷と比較されるのは嫌という話を聞いたりもする。嫌かもしれない。でも(現段階で)負けているわけだから。同級生なわけだし、晋太郎だって『負けるか!』という気持ちを持ってくれていると思う。堂々と持ってくれてもいいと思う。『大谷に今は負けてます。でも、そのうち勝ちますよ』と言えばいい。『負けて悔しい』と…」
大谷は前夜、パ・リーグのCSファイナルSでソフトバンク打線を7回1安打に封じた。打者兼任してなお、日本を代表するエース。この形容に誰も異論を挟めなくなった。同世代のビッグ2として甲子園を騒がせてから4年。「差がついたな…」。球界でそんな声がささやかれるたび、金本監督の負けん気に火がついていたのも事実。「あいつが日本のエースにならないといけない」。何度もそう言っていただけに、大谷の怪物ぶりを見ると、どうしても藤浪を鼓舞したくなるのだろう。
「悔しいと感じていると思うし、感じてほしいし、(負けないように練習に)取り組んでほしい。内心、闘争心はあると思う。悔しい思いを出していい。本音でいけばいいと思う。最後の2試合を見たらモノが違うから。もったいないと思う」
7勝11敗、防御率3・25。勝率・389は藤浪にとって不本意以外の何ものでもない。だが9月終盤の2戦は完ぺきに近い内容で、今季を締めた。広島に完投勝利し、巨人を6回1安打無失点。このクオリティーを高めれば大谷を凌駕(りょうが)できる。金本監督はそう信じて疑わない。
「一番は体のバランス。体力作りもね…。大谷やダルビッシュと比べても体つき、肉付きがまったく違う。投手にはウエートトレが向かないという人もいるけれど、あの2人を見れば何を言っているの?という感じ。圧倒的な球威の差を見せつけられると余計にね」
稀有(けう)なポテンシャルを結果につなげるために、指揮官はこの秋、ワンランク上の肉体改造を藤浪に求めていく。