球児 もう休養完了宣言 復権へ練習スタート
異例の早期始動だ。阪神・藤川球児投手(36)が13日、甲子園のクラブハウスを訪れ、約3時間、ウエートトレーニング中心の練習を行った。今月1日にシーズンを終え、秋季練習のメンバーからは外れているが、「もう休みました」と休養完了を宣言。「やり返す」と誓った来季へ向けて、早くもスタートを切った。
昼下がり。甲子園の駐車場に、練習終わりの藤川が姿を見せた。急ぎ足で愛車に乗り込むと「何かある?」と報道陣を気遣い、頼もしく言葉を紡いだ。
「今日は練習しに来ました。休む時期?もう休みました。もう始まっている。休む時期は終わっているので」
来年へ視線を向ける球児は「休み」というキーワードに、敏感に反応した。今月1日にシーズンを終えたばかりだが、早くも休養完了を宣言。この日も約3時間、クラブハウスにこもった。「やる限りはずっとやらないといけない」とウエートトレーニングを中心にみっちり汗を流した。
来季への決意が体を突き動かす。4年ぶりに阪神に復帰した今季は43試合の登板で5勝6敗、10ホールド、3セーブ、防御率4・60。先発、中継ぎ、クローザー、中継ぎ…と持ち場を変えながら、フル回転した。だが、リーグ優勝を逃すなどチームとしても、自身にとっても、不完全燃焼の1年を過ごした。9月17日、CS進出が消滅した夜には「責任を感じている。申し訳ない。その一言です」とナインを代表して、ファンへざんげした。
異例の早期始動とも言える。思い返せば昨年の同時期は自身の去就も、未定の状況だった。もちろん、ポジションも決まっていなかった。それが今年は目標が明確だ。来季はリリーフ一本で勝負する。長距離、中距離走を取り入れて、心肺機能の向上を図った昨オフのような先発調整は必要ない。シーズン終了後に「自分の任されるであろうところに照準を合わせて、きっちりやっていく」と話したように、中継ぎ調整を進め、火の玉ストレートを取り戻すつもりだ。
「練習するというだけやから」
昨冬は鳴尾浜を拠点としたが、今年は場所を問わない。「やり返す」と宣言した来季へ覚悟を決めている。