阪神、オリックス・糸井獲りへ 国内FA権行使決意で在阪2球団争奪戦
オリックス・糸井嘉男外野手(35)が国内FA権の行使を決意したことが17日、明らかになった。FA宣言選手との交渉解禁日まで動向を見守る阪神はこれまで態度を表明することはなかったが、糸井の決断を受け、獲得へ向けた準備を整えたことが判明。関係者によれば糸井は在阪球団を希望しており、日本シリーズ終了後、交渉解禁を待って阪神がオリックスとの糸井争奪戦に臨む。
FA渦中の糸井が権利行使を決意したことが分かった。既にオリックスは宮内オーナーが引き留めを厳命。福良監督が直接本人と面談を行うなど全力慰留に努めているが、糸井の決断を受け、阪神が獲得へ向けた準備を整えたことが判明した。阪神の球団幹部はこの日「最善を尽くします」と明言。糸井が在阪球団を希望していることから、交渉解禁となれば2球団による争奪戦が幕を開ける。
CSを戦う球団への配慮、交渉解禁日の順守のもと、阪神はこれまでFA戦略の具体策の表明を控えてきた。だがこの日、球団幹部は糸井がFA権行使を正式に表明すれば、獲得へ誠意を尽くすことを初めて明らかにした。
金本監督は今月5日、坂井オーナーへのシーズン報告後に「去年は若い選手にチャンスを与えるので補強はいりませんということでしたけど、今年は(補強ポイントが)はっきりと見えてきた。一番は攻撃力。補強は必要」と話した。糸井は今季打率・306、17本塁打、70打点に加え、53盗塁でタイトルを獲得。具体名こそ挙げなかったものの、はっきりと照準を定めた発言だったのかもしれない。球団幹部は「監督が求める選手を一番に考えたい」と明かし、編成会議のテーブルに糸井の名前を挙げ、最優先を確認したようだ。
糸井は今季の全日程を終えた今月1日、「(FA権行使の機会は)最初で最後だと思う」と語り、12日には「日々揺れ動いています」と複雑な胸中を明かしていた。オリックスの球団関係者によれば、現在は同球団幹部との連絡も途絶えているという。糸井はFA残留を含め、悩んだ末に権利行使を決意、他球団との交渉テーブルにつく意思を固めたと見られる。
家族が関東で暮らしていることから、在京球団を希望しているとの情報もあったが、糸井に近い関係者の話では、本人は関西を拠点に勝負したい思いが強いという。となれば、オリックス残留か阪神移籍の2択。ターゲットを明確にした阪神が、「虎の糸井」誕生を目指す。