西岡、背番号7→5 糸井に男気譲渡「負けないようにやっていきたい」
阪神が22日、西岡剛内野手(32)の背番号を「7」から「5」に変更することを発表した。オリックスからFAで加入する糸井嘉男外野手(35)が、新たに「7」をつける。西岡は7月20日・巨人戦(甲子園)で左アキレス腱を完全断裂し、現在は鳴尾浜などでリハビリ中。03年のロッテ入団以来、日本では手放さなかった愛着のある番号と別れ、雪辱を期す17年シーズンへと向かう。
突然の報告だった。この日の正午過ぎ、自身の公式フェイスブックで代名詞との別れをファンへ伝えた。ロッテ入団時から共に戦ってきた背中の「7」が、来季から「5」に変わる。左アキレス腱の完全断裂から復活を期す17年シーズンは、文字通り野球人生を懸けた戦いだ。
阪神は21日、オリックスからFA宣言していた糸井の獲得を発表。4年総額18億円という契約の中に、日本ハム時代の11年から背負い続ける「7」があった。球団関係者から伝え聞いた西岡は「糸井さんとは仲良くさせてもらっていましたし、本人とも連絡を取りました。『7番にするなら気分よく来てください』と」と、自身の思いを伝えた。
「糸井さんはチームの戦力になる人だと思います。僕自身も、それに負けないようにやっていきたいですね」
数々の試練を共に乗り越えてきた“相棒”との惜別。ここ数年の自身の成績を振り返れば、納得するしかなかった。13年に米大リーグ・ツインズから阪神に移籍して以来、毎年のようにケガに泣かされてきた。今季は7月20日・巨人戦(甲子園)で左アキレス腱を断裂。55試合の出場に終わり、チームを支えることはできなかった。
「この世界は自分より実績のある人がよそから入ってくると、こういう状況になることがあります。自分も阪神に来たときに(俊介から)『7』を譲ってもらったので」
糸井は今季、自身初となる全試合に出場して打率・306、17本塁打、70打点、53盗塁と縦横無尽に走りまくり、史上最年長でタイトルを獲得。外野手部門で7度目のゴールデングラブ賞にも輝いた。すさまじいポテンシャルと実績は、誰もが認めるところだ。
それでも「負けないように」と話す西岡の表情は、鬼気迫るものがある。どん底から這(は)い上がり、来季は糸井に負けないような成績を。「どんな背番号でもそれに似合うような結果を残していきたい」。阪神では新庄、平野(現1軍打撃コーチ)ら数々の名選手が付けた背番号5。結果を出し、西岡色に染めればそれでいい。
「絶対グラウンドに戻って、僕のプレーを見てもらえる自信はあります!必ず強くなって戻るので、見といてください」
現在は、素振りができる状態にまで回復しているという。この日は大阪市内のホテルで行われた球団納会に出席し、気持ちを新たにした。諦める気持ちなど毛頭ない。プロ15年目の逆襲へ、西岡の目はぎらついていた。