原口がバスケ特訓 正捕手獲りへワンハンドシュートで送球力向上
目指すは桜木花道!?阪神・原口文仁捕手(24)が15日、矢野流の「バスケットボールトレ」に取り組んでいることを明かした。ワンハンドシュートを実践することで手首の使い方が柔軟になり、捕手に必要なスナップスローが向上するという。中学時代にバスケ部だった矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(48)の教えに習い、今オフは「籠球道」にもいそしんでいく。
その光景は、バスケ漫画「スラムダンク」を彷彿(ほうふつ)とさせるものだった。10月9日、甲子園の室内練習場で行われた秋季練習の初日だ。原口が矢野作戦兼バッテリーコーチから受けていた実演指導は、バスケのワンハンドシュート。送球力向上へのヒントを得た正捕手候補は、今も大きいボールで練習に励んでいた。
「肩回りというより(肘から先で)スピンをかけるような感覚ですね。バスケットボールはやりやすいので。いいスピンをかけられれば、野球にもつながっていくと思います」
額の前まで右手でボールを持ち上げ、肘から先を柔軟に使いゴールに届ける。ワンハンドシュートは、捕手に必要とされるスナップスローに通じる部分がある。「力んでしまうといいスピンがかけられないので」。二塁ベースまで一直線に伸びる軌道が理想。いい回転のボールを投げられれば、もっと走者を刺せる。
捕手としてプロ通算1546試合に出場した矢野コーチは、中学時代バスケットボール部だった。白球から遠ざかった経験が、後の自分に生かされた。リストの使い方を他競技から吸収し、応用できたことが輝かしい実績の下支えとなった。
原口も、その意図をしっかり理解している。今季は盗塁阻止率・233。リーグトップの小林の同・356と比べれば、足りない力は明らかだ。正捕手の椅子を狙う男にとって、スローイング力の向上は必要不可欠。そして右肩が完全な状態に戻っていない今、手首の柔軟性を生かしたスナップスローはより重要度を増していく。
「送球練習は毎日やっています。肩回りも重点的に。体をなまらせないために、素振りもやっています」
この日は甲子園の室内練習場で汗を流した。今季は捕手として、チーム最多の68試合に出場。しかし、レギュラーを勝ち取ることはできなかった。来季こそ、こだわり抜く扇の要を不動のものにしたい。「スラムダンク」の主人公、桜木花道のように成長できれば、目標にもグッと近づく。
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