センターはオレ!江越が糸井に挑戦状 金本監督固定化明言もあえていばらの道
阪神の江越大賀外野手(23)が15日、FAで移籍してきた糸井嘉男外野手(35)に挑戦状を突きつけた。金本監督はすでに中堅・糸井、右翼・福留をレギュラーとして明言している。それでも江越にとってセンターはアマ時代から慣れ、最も自信があるポジション。自分を成長させるためにも空いている左翼ではなく、あえて強敵に挑む。
糸井とは実力も実績も劣る。定位置を奪うには、圧倒的なパフォーマンスを見せなければならない。それでも最初から諦めていては進歩もない。背中を追うことで、学び取ることもあるはずだ。江越が背番号7へ食らいついていく決意を示した。
「(金本監督は)センターとライトは固定と言われているけど、しっかりそこに挑戦していきたい。レフトで出ろと言われたら仕事をしないといけないけど、あくまでセンターに挑戦する気持ちでいきたい」
現時点で左翼のレギュラーは決定していない。高山、中谷らとの競争に勝ち抜けば定位置奪取につながるが、「僕はずっとセンターでやってきたので」と、あえていばらの道を選んだ。
ライバルは強敵だ。糸井は今季、オリックスで全試合に出場して打率・306、17本塁打、70打点。パ・リーグの盗塁王で、外野手部門のベストナインにも輝いた。
対する江越は72試合で打率・209、7本塁打、20打点。レギュラー獲りを期待されながら、2軍生活も長かった。
それでも付け入る隙がないわけではない。打撃では今季4試合連続本塁打を放ったように、爆発力を秘めている。俊足はチームトップレベルで、強肩もレギュラークラス。計り知れない潜在能力は、他球団のコーチもうらやむほどだ。打撃の確実性を上げれば、金本監督の心を動かすことも不可能ではない。
この日は秋山、松田と西宮養護学校を訪問。児童、生徒72人と質問コーナーなどで交流した。幼い頃に好きだった野球チームを問われると、巨人ファンだったことを“カミングアウト”するリップサービス。子供から驚きの声が上がると、「(出身地の長崎は)巨人戦しか放送していない地域で、じいちゃんが大の巨人ファンだったので」と苦笑いで説明する場面もあった。
自身にとって初めての同校への訪問は、「シーズンであれだけ応援してもらっているし、また頑張ろうと思った」。改めてファンのありがたさを感じる時間となった。
今オフは結婚も発表した。来季は新妻のためにも、ファンのためにも結果を出さないといけない。江越は背水の覚悟で糸井に挑む。