阪神のドラフト８位ルーキー・藤谷洸介投手（２０）＝パナソニック＝が４日、故郷の山口県周南市で始動した。プロで活躍後、上新電機のＣＭ出演を希望した右腕は、飛躍を遂げて家電メーカーの古巣に恩返しを果たす。

　誰もが期待したくなる体格と投球センスを持つ男が、はにかみながら明かした。「将来、ＣＭとか出てみたいですね」。阪神の選手のＣＭと言えば、上新電機だ。チームトップクラスの知名度を持つ選手が出演し、昨年は藤浪、上本、梅野が出演しており、過去には能見、藤川、鳥谷、西岡らチームの顔が起用された。藤谷がエースと呼ばれる存在になって出演すれば、おのずとパナソニックにも注目が集まる。

　古巣の製品には愛着があり「電池で『ＥＶＯＬＴＡ』があるんですが、値段は少々高いですけど、２倍長持ちするんです」と力説。入寮の際に持ち込む家電製品はもちろん、すべてパナソニック製だ。「自分が活躍して少しでも会社に恩返しができるように」と力を込めた藤谷。その準備は着々と進んでいる。

　この日が初投げだったが、塁間程度の距離で力強いボールを投じた。「ブルペンで立ち投げができるくらいには」と８日からの新人合同自主トレに向けて順調に仕上げている。

　ドラフト後には動作解析を行い、投球フォームの改善ポイントを確認。下半身を意識した上での体重移動などを意識するようになった。初詣のおみくじは「吉」。「勝負事は良いと書いてありました」と明かした大型右腕が、大きな野望を持ってプロの世界に飛び込む。