糸井が走った!超人復活へ右膝“不安一走”「全然いける」
「阪神春季キャンプ」(9日、宜野座)
右膝関節炎で別メニュー調整中の阪神・糸井嘉男外野手(35)が、故障後初めて軽めのダッシュを行った。金本監督の指示で、宜野座ドームで約40メートルの距離を4本“試走”。本屋敷トレーナーは「順調です」と、回復途上にある“超人”の体に太鼓判を押した。
選手やチームスタッフの視線が1点に集まる。前傾姿勢で走るその姿は、まるで獲物を捕らえる前の肉食獣のようだった。右膝関節炎からの完全復活を目指す糸井が、軽めのダッシュを披露。3月31日・広島との開幕戦(マツダ)へ視界が開けてきた。
待ちに待ったその瞬間は、突然だった。宜野座ドーム内に設置されたマーカーの端から端までを走る。187センチ、88キロの大きな体を揺らしながら、軽めに約40メートルを4本ダッシュ。その後、腰のキレを確認するかのようにジグザグ走を1本。迫力満点の“試走”は不安を一掃する快走だった。
糸井は「(金本)監督に『確認してみたらどうだ?』と言われたので、ちょっと確認しました」と説明。「全然いける。順調にきていると思います」と好感触を口にした。
痛み、違和感は全くない。金本監督は「そうそう、走れそうと言うから」と前向きに話した。8日は故障後初めてマシン打撃を行い、ティー打撃の強度も徐々に上がってきている。二人三脚で復帰を目指す本屋敷トレーナーが「順調です」という通り、日増しに状態は良化している。
テレビ番組の収録で訪れていた虎党の俳優・石田純一は、糸井のキャッチボールに仰天。「本当に“超人”ですね。漫画みたいな世界。素晴らしいボールですよね。とにかく無理をしないで、今はケガを治してほしいです。糸井さんと福留さん、高山さんにも3割を打ってほしいですね」。糸を引くような球に驚きの表情を見せ、復活を願うと同時に大きな期待を寄せた。
照準を合わせるのは3・31開幕戦だ。まだ、時間はたっぷりある。今は一歩ずつ、一歩ずつ日々の状態を見ながらリハビリを進める。
「やりたい気持ちもありますけど、多少は制御しないといけないところもあると思うので。トレーナーが計画を立ててやってくれている。プロフェッショナルに任せています」
糸井は素直な気持ちを吐露した。全力プレーができないもどかしさはあるが、100%で開幕を迎えるためには我慢も必要。「大丈夫」-。自分に言い聞かせるように語った背番号7。日を追うごとに眼光の鋭さは増している。
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