高橋遥、巨人の洗礼五回途中7失点 プロ初黒星もまだ2戦目 うつむくな!
「阪神1-10巨人」(22日、甲子園球場)
苦しむ自分に、何度も声を掛けてくれた。内野陣には頼れる先輩、ベンチには信頼して送り出してくれた首脳陣。打たれても、打たれてもマウンドに集まってくれた。だからこそ情けなかった。試合後の阪神・高橋遥はうつむいた顔を懸命に上げた。
「何本も連打が出てしまうっていうのは、気持ちとかじゃなく、本当に実力不足だと思いました」
1点リードの四回。吉川尚&ゲレーロに連続で二塁打を浴び、あっという間に1失点。同点にされると、さらに岡本、亀井、小林…。巨人打線の勢いを止めることができず、打者一巡の猛攻を受け、一気に4点を失った。
すると五回。金本監督がバッテリーに一喝した。『インサイドを使っていけ』-。四回には外角の直球を狙い打ちされていた。まだ中盤。これ以上離されるわけにはいかない。だが左腕はそのゲキに応えられなかった。連打で無死二、三塁のピンチを背負うと、5番・岡本に対してコースに投げきれず甘く入った直球をバックスクリーンまで運ばれた。
指揮官が「ある程度、インサイドのサインが出たときには、少々ボールになっても突っ込むというね。そこは大事でしょ」と反省を促せば、高橋遥も言う。「ピンチの場面のときに、力だけじゃなくて、厳しいところに投げられる練習をしていきたい」。修正ポイントを見つめ、表情を引き締めた。
ただ悪い部分ばかりではなかった。三回までは巨人打線を圧倒。得点圏に走者を許さない投球を見せていただけに、捕まった2巡目以降の投球に悔いが残る。
痛感した実力不足。それでもまだ2戦目だ。うつむくな。無念の4回0/3での降板にも、観衆は温かい拍手を送っていた。高橋遥の勝負は始まったばかり。甲子園には期待の左腕が初めて負った『1敗』を、温かく見守る虎党がいるのだから。
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