阪神・高山 復活のろし4安打!生き残りへ「出し切りたい」
「阪神春季キャンプ」(22日、宜野座)
阪神は打線が3発を含む12安打と中日の投手陣を打ち崩し、オープン戦初戦を快勝した。そんな中、猛アピールしたのは5年目の高山俊外野手(26)だ。「7番・左翼」で先発出場し、4打数4安打の固め打ち。この試合前までの実戦は25打数5安打、打率・200だったが、意地を見せた。新助っ人サンズらとの外野の定位置を巡る争いはここからが本番。何としても勝ち抜き、復活してみせる。
沖縄・北谷公園野球場の電光掲示板に「Hマーク」ランプをともし続けた。外野レギュラー奪取に燃える高山が4投手から4打数4安打の離れ業。巧みなバットコントロールを駆使してオープン戦初戦の主役に躍り出た。
1本目の安打は二回の第1打席だ。2死から先発ロメロのカーブに食らいつくと、打球は高いバウンドで遊撃前へ。ギリギリのタイミングだったが、鬼の全力疾走で内野安打をもぎ取った。三回は球界最年長投手・山井から右前へ会心の一打。さらに五回はベテラン吉見から右前へ運び、七回も新助っ人ロドリゲスの145キロ速球を中前へはじき返した。
首脳陣の評価もグッと高まった。矢野監督が「ボテボテのヒットからの4安打というのが価値がある。最高のスタートが切れたのでは」とたたえると、井上打撃コーチも「2020年のオレは違うぞという意味でも今日は二重丸かなと。4安打というのは認めざるを得ない」とうなった。
試合後、高山本人だけが渋い顔だ。九回、左腕岡田を迎えた場面での代打交代。激しい定位置争いが続く中、悔しさともどかしさが体中に充満していた。
「(安打を)打った打席は内容はあったので良かったですけど…(左投手で)代えられるというのが続いている。どういう判断かは分からないですけど、そこに悔しさを持ってやらないと、代えられないようにやらないと、次につながらない」
キャンプ終盤を迎えて実戦が本格化。新助っ人サンズ、ベテラン福留に加えて23日・広島戦(コザしんきんスタジアム)から糸井が実戦に初出場する。アピールの機会が限られてくるだけに、危機感はなおさら強まる。
「もう立場的にギリギリのところだし、こうやってチャンスを与えてもらっているうちに出し切りたい。開幕してから出し切るのは当然ですけど、開幕するまでに出し切って、レギュラーとして出られるようにしたい」
キャンプ休日だった前日21日は室内練習場でバットを振り込んだ。開幕まで約1カ月。スタメンを奪い返すまで、泥くさく突っ走る。
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