実りの秋~三重県名張市の観光農園

 実りの秋だ。とは言ってもスーパーで並ぶ商品を見ているだけでは実感はイマイチ。農作物の収穫体験を経て実感してみたい。三重県名張市にある観光農園「Mu~mu~marche」(む~む~まるしぇ)ではラズベリーと芋の収穫を楽しめる。名張までは電車で大阪・難波から約1時間。近くには赤目四十八滝もあって、あまりカネをかけずに1日遊ぶことができそうだ。

 ラズベリーの果実は赤く、大人の指先くらいの大きさ。枝先に付き、木の高さも大人の腰から胸のあたりなので子供でも摘みやすい。

 農園を経営する伊藤英次さん(43)はラズベリーの調理法について「ジャムにするのがおすすめです。家で作りましたがめちゃくちゃおいしい。フレッシュなのはなかなか売ってないですからね」と話した。

 ラズベリーを植えたのは昨年。伊藤さんは「(農園の)親会社が青汁を売ってるんです。青汁はどうしてもまずい。お客さんも体にはいいと分かっていても『まずい』と。『おいしい』と言っていただけるものを作りたかったんです」と生産者らしい悩みを明かした。

 ラズベリーの収穫時期は10月末ごろから11月末ごろまで。取った実を1パックに詰める。料金は1000円。約400-500グラムある。

 続いて芋掘りだ。この農園では食感に従って3種類の芋を中心に植えている。食感は3つで「ほくほく」、「しっとり」、「べっちゃり」。ほくほくは「クイックスイート」という種類で名前の通り、その場で食べることができる。それだけに、かなりの人気だ。

 しっとりは「紅まさり」。べっちゃりは「安納芋」だ。

 紅まさりだとラグビーボールくらいの大きさのものが取れることも珍しくない。大きいと子供は大喜びだが、母親は「どうやって料理すれば」と困り顔になるそうだ。しかし、土をいじっている時は大人も童心にかえって楽しめる。

 料金は1株が300円で、1人1セット3株を掘ることができる。料金は900円。1株からは3キロくらいの芋が取れるので、かなりお得だ。

 あまりに安いので客の中には「もうちょっと値段を上げないと、やっていけないでしょ」と心配する声も。伊藤さんは「農業従事者が減っている。若い人がいない。土に触れることの楽しさ、農作業の楽しさを知ってもらうことにつながれば」と話し、明日の農業のためにお値段据え置きで頑張る覚悟だ。

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