「瀬戸内海賊物語」ロケ地~激流の能島
2014年6月1日
能島の激しい潮流
全国公開された「瀬戸内海賊物語」(C)2014「瀬戸内海賊物語」製作委員会
村上水軍と呼ばれた瀬戸内海の海賊をテーマにした映画「瀬戸内海賊物語」(31日全国公開)のロケ地を訪ねた。村上水軍の財宝を求め、海賊の血をひく現代の少女が激しい潮流に守られた瀬戸内の隠し場所に挑む冒険物語。400年前、水軍を束ねた村上武吉が本拠地とした能島(のしま)の周囲には、簡単には近づけない激しい潮が流れていた。
しまなみ海道に今治から乗って大島を目指す。潮流体験船「能島潮流丸」で村上水軍が本拠地を置いていた能島に近づく。凪(なぎ)の瀬戸内海。穏やかそのものだった海面に徐々に白波が目立ち始めた。潮があちらこちらで渦巻いては消え、また生まれ、異様な流れを見せている。
船長は「速い潮が海底の岩礁にぶつかり、海面にわき上がってくる」と話し、この海域特有の潮の流れについて解説した。
船は能島の東側へ。近づくほど海面が白く渦巻き、泡立ってきた。島の先端まで来ると川の急流のように潮が流れている。海とは思えない。これにつかまると確実に遠くへ流されそうだ。能島は天然の要塞(ようさい)とも言われ、村上水軍の本拠地だった所。島の周囲全体ではないにせよ常に激しい潮流があり、大潮の時には最大10ノット(時速約18キロ)で流れるという。
映画「瀬戸内海賊物語」の主役は子供たち。主役の村上楓を演じる柴田杏花、楓と仲良しの二階堂学を演じる伊澤柾樹、同じく麻田冬樹を演じる大前喬一、楓と不仲だったがやがて協力する宮本愛子を演じる葵わかなの4人は撮影時の2年前は全員11~13歳だった。
4人は映画撮影のために初めて手こぎボートに挑戦。オールをこぐと背中向きに進むことすら知らず、戸惑いながら特訓を受けた。
水軍の財宝を求めた冒険譚(たん)。この映画を見ると、見た人それぞれの“財宝”が見つかるかも。