至福の時~「海の京都」でスイーツづくし
2014年7月18日
「海の京都」の走るダイニングルームこと丹後くろまつ号
丹波栗のモンブラン、丹波メロンのフルーツタルト、アップルパイの3品
鉄道旅の楽しみの一つに「食」がある。駅弁が最たる代表だが、スイーツばかりを食べられる列車があると聞いた。北近畿タンゴ鉄道が5月から始めた「スイーツ列車」。甘い物大好きの鉄っ子倶楽部員がおいしそうな香りに誘われ乗車してみた。
◇ ◇
出発駅の福知山駅(京都)で待っていると、漆黒の車体が現れた。北近畿タンゴ鉄道が開業当初の車両を全面改装し、生まれ変わったのが「丹後くろまつ号」だ。
鉄道ファンなら誰もが知る水戸岡氏が松をイメージしデザインしたという。さすがと思わせる外装と、天然木が使用され落ち着いた車内に出発前から心が躍る。
総務部の増井係長によると、丹後くろまつ号は「『海の京都』の走るダイニングルーム」がコンセプトであり、金、土、日曜と祝日に1両編成で運行しているという。今回、乗車したのはお目当てのスイーツコース「丹後くろまつ1号」。いざ天橋立駅へ向かい出発だ。
2人テーブル、4人テーブルが5つずつ、30名定員の車内はほぼ満席。前述の増井係長は「やはり女性の参加が多いです」という。スイーツコース、狙い通りというところか。
丹後地域の山並み、田園風景を横目にゆったりと走る。のどかな空気の中、甘い香りが車内を満たしてきた。お待ちかねのスイーツ様がやっと登場だ。車内に設置されたキッチンから次々と運び出される。今回は丹波栗のモンブラン、丹波メロンのフルーツタルト、アップルパイの3品。
アテンダントクルーの武藤さんが「オススメです」と言った、地元名産の丹波栗と丹波メロン、うん!たしかにうまい!栗とメロンの甘味、風味を生かしつつ、生クリームの甘味もひきたたせている。スイーツとは、それぞれの素材が主張しつつ、ケンカしないのが基本、舌で交互に主役となり脇役となるのがスイーツだ。甘いもの好きの友人、知人に勧めたいスイーツと久々に出会ったと思う。
3品完食後、景色がガラリと変わる。コンセプトの「海の京都」若狭湾が見えてきた。説明不要の海の車窓を見ながら、食後のコーヒーをいただいた。
至福の時とはこういう時を言うのだろう。心もお腹もいっぱいの鉄道旅となった。