紅葉の箱根~アレグラ号で行こう!
2014年11月22日
箱根登山電車25年ぶりの新型車両「アレグラ号」
停車中のアレグラ号
日本一の急勾配を走る「箱根登山鉄道」に、この秋25年ぶりの新型車両が走り始めたという情報を入手し、その性能を確かめに紅葉色づく“天下の険”を目指した。
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新宿から小田急ロマンスカーに揺られ約85分。たどり着いた箱根湯本駅の登山電車ホームに、新型電車が待ち構えていた。
3000形電車、「アレグラ号」。2両で約8億円かけて製造された25年ぶりの新車は大きな一枚ガラスの展望窓と、「バーミリオンはこね」と名付けられた特別な赤が印象的だ。
箱根湯本を発車するといきなりの勾配。強羅まで445メートルの高度差を88カ所のカーブを曲がり、13カ所のトンネルをくぐり、26カ所の鉄橋を渡って、ゆっくりと力強く駆け上がる。天井が高く広々とした車内は、木目調と暖色系のボックスシートで、落ち着いた雰囲気。車端部は展望スペースになっており、側面には高さ1695ミリの大型展望窓が設置され箱根の自然を間近に楽しむことができる。
運転席から天井までの巨大なフロントガラスから前面展望を楽しむ。レールがぬれていることに気づく。摩擦を防ぐ油かと思ったら、車輪とレールの間に水をまきながら進むのだという。運転席をよく見ると散水装置があり、カーブに近づくとこまめにカチッとスイッチを入れてゆっくりと曲がっていく。
途中3度のスイッチバックは登山電車の名物だ。信号場に停車するたびに運転士と車掌が前後に移動し進行方向を変えながら登っていく。
日本有数の観光地だけに外国人観光客も多い。ドイツから来た男性は「デザインがシュールだね」と気に入った様子。香港から来た親子も運転席からの眺望にくぎ付けだった。
車窓の景色も色が濃くなり始めた。もうすぐ終着・強羅だ。紅葉も今月いっぱいまで見頃。関西からちょっと足を延ばして“天下の険”へ。自然に溶け込む「アレグラ号」があなたを待っている。
◆箱根フリーパス
箱根観光で必携なのが「箱根フリーパス」だ。往復の小田急線と、エリア内(1)箱根登山電車(2)箱根登山ケーブルカー(3)箱根ロープウェイ(4)箱根海賊船(5)箱根登山バス(6)観光施設めぐりバス(7)小田急箱根高速バス(指定区間)(8)沼津登山東海バス(指定区間)が乗り降り自由とめっちゃお得。さらに彫刻の森美術館や箱根神社宝物館などの57の施設で優待や料金・運賃が割引になる超太っ腹パスだ。2日間と3日間有効があり、2日間用・新宿から5140円(こどもは1500円)。発駅によって発売額が異なる。ただし特急ロマンスカー料金は含まれていないのでご注意を。箱根ロープウェイは約1分間隔で運転されて、気軽に空中散歩を楽しめる。乗り物好きなら4種類の登山電車、3種類の海賊船を乗り比べてみるのもいいかも。