桜島で“自家製足湯”海岸をシャベルでザクザク!火山からの恩恵だ
桜島に来た。噴煙がもうもうと天高く舞い上がる映像が印象深い、あの桜島だ。鹿児島市の錦江湾に浮かぶ。せっかく来たんだし噴煙を見たいと期待いっぱいだったが、1泊2日の滞在では一度も見ることはできなかった。残念!今年は46回(8月1日時点)と例年になく少ないという。それでも島には火山の恵みがいっぱいだった。
◇ ◇
2万6000年前に桜島の噴火は始まった。以来、現在も活動する。2011年は年間996回の爆発があったが、今年は46回。地元の人は「とても少ない。静かで空気もきれい」と多すぎるよりは生活もしやすいことを訴えた。
爆発の回数は減っても火山から受ける恩恵は変わらない。海岸を掘ったら簡単に温泉がわき出るというのだ。もちろん掘削機を使うのではなく、シャベルやスコップで十分だとか。そう言われてはやるしかない。即席で自家製の「足湯」が楽しめるじゃないか!
目指すは桜島の南側にある有村海岸。到着すると白い砂浜ではなく、黒い土が広がっていた。噴火口から流れた土石流だ。とはいえ海岸は歩きにくいわけではなく、異臭が漂うわけでもない。穏やかに波が打ち寄せ、潮風が心地よい。桜島の南岳の噴火口が見えた。
「国民宿舎レインボー桜島」のスタッフがシャベルでザクザク海岸を掘っていく。鹿児島の魅力を紹介する薩摩コンシェルジュの四位笙子(しい・しょうこ)さん(29)も手伝った。数分で四位さんが「出てきた!」と叫んだ。穴の底からお湯らしきものがにじんでいる。手をつけると温かかった。四位さんはサンダルを脱いで足を下ろし、「気持ちいい。ちょうどいいお湯かげんです」とニッコリ。温度計を刺すと40度だった。
自分でもスコップで掘ってみる。数分でお湯がにじみ出てきた。足を下ろす。底はねちょねちょ感があって気持ちいい。しかし、1人で海岸を掘っていると周囲からは何か怪しいものを埋めているように見えて通報でもされたらややこしいので、複数でやったほうが良さそうだ。
桜島を訪れた時、島の警戒レベルは「3」。気象庁が定めており5段階まである。レベル3は「入山規制」。レベル5は「避難」だ。地元の人によると3は普通だそうで、人々は通常の生活を営み、観光客は外国人も含めて悠然と過ごしていた。
◆桜島へのアクセス 「桜島フェリー」が鹿児島港と桜島を24時間運航している。大人片道160円。所要約15分。鹿児島空港からは港へは空港バスに乗って金生町バス停下車徒歩約15分。鹿児島駅からは徒歩約7分。
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