「オリックス３－６日本ハム」（５日、京セラドーム大阪）

　決勝点は“やり直しスクイズ”で奪った。八回、敵失で同点とし、なお１死一、三塁。日本ハム・松本剛は初球のスクイズをファウル。その後カウント２－１となって、再び出たサインに対応。今度はキッチリ転がして三走・中島がホームに滑り込んだ。

　松本剛は「いいバントではなかったですけど、卓さん（中島）のおかげで、セーフになってくれた」。中島は「（スクイズは）もうないのかなと思っていたんですけど、ああやって（２度目のサインが）出たのでいいスタートを切ろうと思っていました」と振り返った。

　四球に始まり２盗塁、敵失も誘って２安打で４点を奪った逆転劇。１球ごとに変わるサインを選手が確実に遂行した。最下位に甘んじた２年間、新庄監督はさまざまな作戦を実行してきた。松本剛はその成果を「あると思います。選手も想定してゲームに入っていると思うので出た時にスムーズにできる」と明かす。

　新庄野球が浸透して、これで６カード連続負け越しなし。貯金も新庄政権最多タイの「５」に戻した。６日からは敵地でソフトバンク３連戦。２・５ゲーム差の首位攻防戦だ。松本剛は「そういう試合ができるっていうのは僕らもやりがいがあります」と前を見据える。

　新庄監督は不振の清宮、奈良間に代えて２軍から野村、今川を昇格させて、春の天王山に臨む。この日は取材対応しなかったが「この流れで、あしたも行きまーす」と笑顔で一言。初の単独首位がかかる、故郷福岡に乗り込む。