5度目五輪のカヌー羽根田卓也、初代表の後輩へ異例アドバイス「開会式も楽しまないともったいない」過去2回欠席で「後悔」

 カヌー男子カナディアンシングルでパリ五輪代表に内定している、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルの羽根田卓也(36)=ミキハウス=が5日、東京都江戸川区のカヌー・スラロームセンターで行われた日本連盟主催の体験イベントに参加した。

 普段は練習拠点の同会場に、ゴールデンウィークとあって子供や一般客が多く来場。カヌー界のカリスマは華麗なデモンストレーションを披露し、「定員200名のところを400名の応募があったということで、間違いなくこの施設やカヌー自体への興味が高まっているなと。余すことなく魅力を共有できたら」と感慨を込めた。

 今夏のパリ五輪開幕まで3カ月を切った。5大会連続出場となる羽根田は今月下旬からパリでの合宿を予定しており、「本気でパリへの仕上げを始める期間。いいトレーニングはできているので、あれだけの大きな舞台になると気持ちの勝負になる。今日いただいたエネルギーをしっかり燃料にして上げていきたい」とギアを上げた。

 また、五輪初出場となる後輩の田中雄己(22)=ミキハウス=に対するアドバイスとしては「オリンピックを全部楽しめってことですね。開会式も。自分の(競技での)パフォーマンスだけを考えるのはオリンピックがもったいない」と、含蓄のある言葉を送った。

 自身は過去4大会のうち2大会は欠席したといい、「それを後悔しているので」と述懐。最近も、会話する機会があった他競技の選手が「次の日から試合があるので僕は(開会式に)出ません」と話していたといい、「俺も次の日から予選だから(開会式には)出ろ、って言っておきました」と笑った。

 五輪の夢舞台を骨までしゃぶり尽くさんばかりのレジェンドの切実な経験談に、隣で聞いていた田中は終始「勉強になります」と最敬礼していた。

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