原監督“鬼采配”不振の村田に代打由伸
「ヤクルト4‐4巨人」(9日、新潟)
“鬼采配”で負けなかった。まさに執念だった。延長十回引き分け。中日が敗れたため、巨人のマジックは1つ減って12となった。原監督は「よく引き分けたと思います」と納得の表情を浮かべた。
大胆な起用は、0‐3の六回だった。2死満塁。相手が石川から右の松井光にスイッチすると、指揮官は果敢に動いた。大スランプの村田の代打に高橋由を指名した。
これがズバリとはまった。左越えに走者一掃の適時二塁打を放ち、いったん同点に追いついた。高橋由は「2アウトのチャンスだったのでここは打つしかないと思っていた」と充実の表情を浮かべた。
鬼のタクトを振るった原監督は「本来なら(代打は)出したくないところだけど、チームで戦っているんでね」と平然と言ってのけた。
チームの優勝が近づく中、皮肉なことに打撃の調子が急降下しているのが村田だ。7日は大不振のため二回裏の守備から懲罰交代となり、試合途中で帰宅。丸刈りで登場した8日は5打数1安打。この日も四回に左翼ポール際への大ファウルがあったが結局、2打数無安打だった。
「(代打は)予想してなかった。受け入れざるを得ない。これも強いチームの試練だと思います」と村田。巨人の重圧に苦しんでいるのだろうか。もはや意地でも奮起するしかない。