G阿部MVP!菅野に“鉄拳制裁”予告
「プロ野球コンベンション」(21日、グランドプリンスホテル新高輪)
年間最優秀選手(MVP)にセ・リーグは巨人・阿部慎之助捕手(33)、パ・リーグは日本ハム・吉川光夫投手(24)が初選出された。阿部はセの有効投票総数261票のうち259の1位票を得る圧倒的な支持での受賞となった。セの捕手としては1997年の古田敦也(ヤクルト)以来、巨人の捕手としては87年の山倉和博以来2人目のMVP。
自信に満ちあふれた表情だった。圧倒的な存在感を示し、日本一の立役者になった。初のMVP受賞も当然だった。だが阿部は「まさか自分が。びっくりしました。僕だけじゃなくて、チームの選手、裏方さん、全員で取ったものだと思います」。リーダーらしいセリフを口にした。
今季は、主将として強烈なリーダーシップを発揮した。チームがピンチを迎えた時、カツを入れ、奮起を促してきた。「CS、ペナントとともに窮地に追い込まれましたが、すごく価値ある日本一だと思います」とぶ厚い胸を張った。
“鬼軍曹”は、来季も健在だ。ドラフト1位・菅野について「昨日、監督が鉄拳制裁ありだ、といういうことを言っていたので沢村の次に餌食になるかもしれません」とニヤリと予告。日本シリーズ第2戦で一回にサインを見落とすなど、不安定だった沢村の頭をポカリとたたいて、立ち直らせた“実績”もある。
祝賀会が行われた20日に原監督から直々に“鉄拳制裁”を容認されただけに支障もない。厳しくするだけではなく正捕手として「いろんな面でフォロー、サポートしていければと思います」とバックアップも約束した。
当然、阿部自身に慢心はない。「今年の反省を踏まえて来年、日本一が目標です」と力強く誓った。鬼と化したリーダーが、選手の尻をたたいて2年連続日本一を目指す。