小笠原、涙目…球界史上最大3・6億減
巨人・小笠原道大内野手(39)が5日、東京・大手町の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3億6000万減の7000万円でサインした。不本意だった今季を物語る球界史上最大の減俸となった。厳しい現実を突きつけられた大ベテランは来季、ゼロからのスタートを誓うなど悲壮感を漂わせた。
やはり、ショックは隠せなかった。会見場に現れ、無数のフラッシュを浴びた小笠原の目は、少しだけ赤かった。突きつけられた現実は厳しかったが、必死に耐えているようにも見えた。
「80~90%ダウンです。大方の予想はしていました。契約してもらえるだけありがたいという気持ちで。サインして来季、頑張るという一心です」。一点をジッと見つめ、言葉を選びながら胸中を語った。
3億6000万減の7000万円は、異例の数字だ。過去には楽天を戦力外後、中日に移籍した山崎武司が2億2000万減の3000万円というケースもあった。だがそれすらも超え、球界最大の大減俸となった。
求められた結果は、散々だった。2年契約の最終年の今季は大不振にあえぎ、度重なる故障に苦しんだ。レギュラーシーズンは34試合の出場で打率・152、本塁打0。昨季も83試合の出場に終わった。原沢球団代表は「この2年のことを考えれば、そういう提示にならざるをえない」と説明した。
本人も苦悩の日々を告白した。「思い通りにいかないシーズンだった。試合に出られないつらさ、悔しさ。そういうのを感じながら1年過ごした」と厳しい表情だった。
来季は退路を断って臨むしかない。だが、その質問に大ベテランは「だから、そういうことよりも、まずファンの気持ちに応える」と表情をこわばらせた。
去就について多くは語らなかったが、来季は単年契約。「真っさらな状態というか、ゼロからのスタートという感じで。もう一度、スタートを切る」。悲壮感すら漂わせ、自身の去就がかかった来季に挑む。