巨人・渡辺恒雄球団会長（８７）が１日、都内ホテルで取材に応じ、次期コミッショナーにソフトバンク・王貞治球団会長（７３）を指名した。統一球問題で進退問題が浮上している加藤良三コミッショナー（７１）について、任期満了までの続投を支持。諸問題を解決した上で、「世界のヒーロー」王会長に託すべきだという考えを示した。

　迷う様子はなかった。報道陣の問いかけに、立ち止まって対応。次期コミッショナーに関する質問に「いるじゃないか。次はもうだいたいひとりしかいないだろ。人格、識見、人柄、これ以上の人はいないという人がひとりしかいないだろ」と、言い切った。

　王会長の名前を挙げられると「そういうことだよ。おれはそう思っているが、ご本人がなかなかね」とついにその熱い思いがあふれた。ただ、その意向を王会長に伝えたか聞かれると「本人とはしてない」と否定した。

　統一球問題で進退問題が浮上している加藤コミッショナーについては、あらためて続投を支持した。「今の任期中にね、コミッショナーを辞めさせるのは失礼だ。こっちが頼んだんだから」。任期満了となる来夏までは、託すべきだという考えを示した。

　ただ、その理由も次期コミッショナーに向けられたもの。王会長の体調も気にかけながら「迷惑かけんように。いろんな問題を全部解決して。次のコミッショナーに（託し）全部嫌なことを解決するってのは、失礼じゃないか」と語った。

　巨人ＯＢ会長も務める王会長への思いは相当なもの。渡辺会長は「野球界をきれいにして、極めて合理的なものにして、わが世界のヒーローを迎える、それが一番いいんじゃないかね」と笑みをたたえながら、車に乗り込んだ。