「4番・由伸」激走で鼓舞!G虎連倒
「阪神0-1巨人」(4日、甲子園)
激走3連発だ。左ふくらはぎ肉離れから復活したばかりの巨人・高橋由が、足で、バットで、代理4番としてチームを鼓舞した。
「次、同じ場面があっても、また走るよ」
こう振り返ったのは、0‐0の六回だ。先頭でスタンリッジのカーブを二塁手の左にはじき返した。二塁手・西岡が好捕し、一塁へジャンピングスロー。敵の好プレーだったが、全力疾走で内野安打にした。続く村田の右前打で迷わず三塁へ。さすがに端正なマスクをゆがめたが、次打者のボウカーが初球を右飛にして、すぐさまタッチアップで本塁まで疾駆した。
これが決勝点。足を痛めて3カ月間、調整を続けてきた男の走りが絶対的4番なきチームに勝利をもたらした。プロ16年目にして初の筋肉系の故障。当初は交流戦明けに1軍復帰する計画だったが、監督に延長をお願いした。故障明けの実戦経験が少なかったため、約1週間、昇格を遅らせたことが吉と出た。
4番は11年9月3日のヤクルト戦以来。「4番を任されての4番ではないから。慎之助とは違う。自分のできることを精いっぱいするだけだよ」。六回から交代したが、2安打1四球と全打席で出塁した。
伝統の一戦に連勝し、ゲーム差は4・5。それでも原監督は「阪神との対戦は残っている。阪神の投手を攻撃して、点数をとれるようにしないと」と、2週間後の再戦を見すえた。