由伸、2年ぶり4番弾!巨人5発快勝
「巨人12-7DeNA」(5日、東京ド)
打った瞬間、巨人・高橋由の手には懐かしい感触がよみがえった。バットを捨て、打球を見届けながら、小走りで一塁に駆け出す。1点を勝ち越した直後の三回1死一塁。コーコランが投じたど真ん中のツーシーム。「完ぺきでした」。自画自賛の今季1号2ランだ。
昨年8月17日以来の一発だった。これで本塁打を打った試合は11戦続けて負けなし。右脇腹に炎症を抱える阿部を欠く中、2試合続けて4番で結果を出した。
前日は2安打1四球、この日は1本塁打2四球。4番での出塁率10割。「4番の理想像はいくらでもありますよ。でも、理想と現実は違う。自分にできることをするだけです。慎之助の代わりはできないので」。
謙虚に振り返ったが、打線は高橋由に誘発されるように、2010年8月26日・中日戦(6本塁打)以来の1試合5発を打ち上げた。先発全員安打で、12得点と爆発。原監督は「慎之助ばかりに頼るのはチームとしてよくない。いい傾向だと思います」と阿部不在での圧勝にうなずいた。
開幕前、阿部が「(V逸するとしたら)自分がケガで長期離脱したときかな」と話したことがある。誰もが認める主砲の故障はチームに大ブレーキとなりかねなかったが、2連覇を目指す王者には経験豊富なベテランがいた。これで今季最多の貯金18。4連勝。死角が見当たらなくなってきた。