原G完封負け…阿部、痛恨飛び出し併殺
「中日1‐0巨人」(13日、ナゴド)
痛恨のボーンヘッドに逆転を期待した歓声はため息へと変わった。巨人は1点を追う六回。1死満塁の絶好機をつくり、そこまで攻めあぐねていた山本昌をマウンドから引きずり降ろした。
代打・石井は2番手・中田賢と対決し、打球は左中間深くへの中飛となった。そこで三走・坂本がタッチアップ。同点か…と思われた瞬間、二走・阿部がベースから飛び出していた。送球は遊撃‐二塁と渡り、併殺。走塁ミスがなければ同点で、なお2死一、二塁の場面が無得点に終わった。
ミスで勝利を手放した主将は「オレがハーフウエーより出過ぎた」と厳しい表情で帰りのバスに乗り込んだ。三塁コーチの大西守備走塁コーチも「オレが慎之助に意識付けができてないから、ああいうプレーが生まれる。オレのミス」と責任を背負い込んだ。
二塁への送球よりも坂本の生還が早ければ同点だった場面。原監督が「アウトでしょう。あれは(阿部の)判断ミス」と振り返った一方、川相ヘッドは「(坂本の方が)早いかなとも思いましたけど」。見解に食い違いが生じるほど微妙なプレーだった。しかし、残ったのは今季6度目の完封負け、痛恨の連敗という事実だけだ。
得点圏に走者を置くこと5回。長野を新人時代の2010年以来となる2番に置くなど新オーダーを組んだが、拙攻に泣いた。これで中日戦4連敗。甲子園での首位攻防戦を前に歯車が狂いだした。