大谷ぶっつけ代打弾!骨折から鮮烈復帰
「日本ハム7‐2ロッテ」(14日、札幌ド)
11日の練習中に右きょう骨不全骨折のケガを負った日本ハムの大谷翔平投手(19)=花巻東=が、14日の復帰戦でいきなり本塁打を放った。七回に代打で登場し、ロッテ・大谷から本拠地のバックスクリーン左へ、出場2試合連続弾となるプロ2号をたたき込んだ。骨折後は13日まで練習を休んでいた二刀流が、全快をアピールするとともに自ら祝砲を上げた。
「ツイてないなと思っていたんですが、まだツキがあると思いました」‐。規格外ルーキーの言葉は、謙そんにしか聞こえない。これで自身の出場した勝利試合では4試合連続のお立ち台。骨折明けのぶっつけ本番で、2試合連続となる2号を放った二刀流の切れ味には、3万人超のファンも仰天するばかりだった。
3点リードの七回だった。1死二塁の好機で、陽岱鋼の代打として打席へ。同じ名字のロッテ・大谷がフルカウントから投じた143キロの直球をはじき返した。札幌ドームでの本拠地初アーチを「入るとは思わなかったが、自分のスイングができました」と引きつった笑顔で回想。右ほおがまだ腫れているため表情は落ち着かず、汗をぬぐう姿もぎこちなかった。
試合出場はプロ初本塁打を放った10日の楽天戦(Kスタ宮城)以来。離脱中は合宿所で痛みが残る患部を冷やしながら麺をすすり、テレビ観戦していた。しかし、チームは大谷が欠場した3試合で3連敗を喫していた。
「自分の不注意で迷惑をかけた。貴重なベンチの1枠も空けてしまい、何とか取り返したかった」。うっぷんを晴らすように、打球がスタンドに吸い込まれたことを確認すると、ダイヤモンドで雄たけびを上げていた。
とにかく野球がしたかった。12日からチームが着用している「バーニングレッド」の限定ユニホームに初めて袖を通すと、何事もなかったかのようにグラウンドに現れ、通常メニューに参加。打撃に、バント、走塁練習をこなすと、キャッチボールに右翼のポジションで守備練習を行い、さらに筋トレを行っていた投手陣の輪にも加わった。
その姿に代打起用を決めたという栗山監督は、「明日は大丈夫だと思う」と15日・西武戦でのスタメン起用を示唆。「持ってるもんはこんなもんじゃない。もっとうまく引き出してあげたいんだ」と無限の可能性を信じている。二刀流が19日から始まる球宴を前に、再び輝きを放ち始めた。