G村田4打点!走者一掃打&ダメ押し弾
「阪神3-6巨人」(15日、甲子園)
満塁。前日の記憶がよぎる。巨人・村田は名古屋で1死満塁から三ゴロ併殺に倒れていた。すぐさま巡ってきた名誉挽回の機会は、野球の神様のおぼしめしか。初回2死満塁。初球だった。
甘く入った直球を振り切る。センターへ一直線のライナーは、中堅手が前進し慌てて背走する伸びのある打球。相手が判断を誤り、走者一掃の中越え二塁打で3点の先制パンチを食らわせた。
中日3連戦では計2点しか奪えず3タテされた。「満塁でしたし、昨日は打てなかった。積極的にいこうと思った」。八回には左中間席への11号ソロでだめ押しするなど、3安打4打点の大暴れで鬱憤(うっぷん)を晴らした。
開幕当初は頭上に構えていたバットを、頭の横に修正。交流戦では9番まで打順が下がり、一時は打率・256まで落ちたが、1カ月で2分以上戻した。これで13試合連続安打と絶好調だ。
5月26日・オリックス戦では「心技体の準備不足」として初回で交代させられた。昨年も同様のことがあり、試合途中に帰宅したが、今年はベンチで声をからした。原監督の“親心”だった。「逆にベンチに座っていないと。修行だよね。去年はお客さまだったけど、今年はファミリーになったんだから」。FA移籍してきた昨年とは違う、我が“子”を思っての我慢が復調を呼んだ。「修一がモヤモヤを吹き飛ばしてくれた」と指揮官。直接対決で連敗を脱し、首位ターンが決まった。