井口、一発で決めた!日米通算2000安打
「楽天3‐2ロッテ」(26日、K宮城)
ロッテの井口資仁内野手(38)が26日、楽天(11)戦(Kスタ宮城)で日米通算2000安打を達成した。六回に田中から19号ソロ本塁打を放ってプロ野球通算1506安打とし、米大リーグでの494安打と合わせて17年目で大台に到達した。日本選手の日米2000安打はヤンキースのイチロー、巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜らに続いて5人目で、「名球会」入りの条件を満たした。初安打はダイエー(現ソフトバンク)時代の1997年5月3日の近鉄戦で山崎から記録。
偉業達成は豪快なアーチで決めた。同点の六回。田中の初球、147キロの直球を迷いなくフルスイングした。打球は左中間席中段に飛び込んだ。史上5人目となる日米通算2000安打達成。普段はクールに決めるベテランが、三塁を回ると両手でガッツポーズ。伊東監督、岡田主将から花束を満面の笑みで受け取った。
「今年の中で一番のスイングができた。球界No.1投手、マー君から打てたのはうれしい」と喜びをかみしめた。
今でも破られていない東都大学リーグ記録の24本塁打という実績を引っ提げプロ入り。しかし入団から3年は打率2割台前半と泣かず飛ばず。同期の松中、柴原に後れを取った。
「追いつきたかった。同期が獲っていないタイトルを何か一つ獲ると決めた」。周囲に認められたい一心で、盗塁王奪取を目指した。相手投手の配球、癖を記したノートをつけ、研究に没頭。「新しい視点から野球を考えるようになった」。01年に初の盗塁王に輝くと、この研究が打力アップにつながった。
打撃の恩師には真っ先にダイエー時代の王監督(現ソフトバンク球団会長)を挙げる。試合後、球場の風呂場に王監督がいることを見計らって入り、打撃指導を請うた。石けんまみれの王監督が一本足打法になって教えられたこともあった。
今でも脳裏に焼き付く言葉がある。「俺はボールが水道管の管のように見えていた。そうなればしめたもの」。風呂場で聞いた“王語録”をノートに記しては何度も読み返した。
日米苦節17年で名球会の仲間入り。「ここまで長く現役でやれてよかった」と大記録の感激に浸った。