星野楽天パ50勝一番乗り!球団新貯金14
「楽天8‐1ロッテ」(27日、K宮城)
星野楽天が2位のロッテに快勝で貯金を球団史上最多の14とし、CSに進出した2009年の最多貯金を超えた。リーグ最速の50勝にも到達。星野監督は試合後「14で記録?まだまだ恥ずかしいな」と、さらなる上積みを見据えた。
手痛い失点からのスタートだった。初回1死一、二塁で今江の遊ゴロは余裕の併殺コース。遊撃の松井から、二塁の藤田へ。ところが藤田はアウトカウントを間違え、一塁に投げずにベンチ方向へ向かった。2死一、三塁となり、続くブラゼルに先制の適時打を許した。
普通なら痛恨、致命的なボーンヘッドだが、今の楽天はそんなミスさえ、みんなでカバーしてしまう。0‐1の二回にマギーの同点ソロを皮切りに、下位打線が4連打で計5得点。「あれで戸村も楽になったな」。九回の大逆転で劇的サヨナラ勝利を飾った前日26日の流れは健在だった。
まさに横綱相撲の試合。強い。CS進出ラインが目標に掲げられることもあったチームが、リーグのトップを快走している。だが指揮官は気を緩めない。この日、豪雨の中で力投した戸村について「僅差でも頑張れるようになったらホンモ…」と言いかけて「一皮むけると言える」と話した。「本物」とはまだ言いたくなかった。
残り数試合まで、順位争いが続くと読んでいる。この日、荒天にもかかわらずチケットは完売。28日も、好調な売り上げを見せている。「球場が満員になれば、選手はいい仕事をしてくれるということを訴えたいね」と指揮官。残り60試合を切り、夏場の戦いへ。選手と首脳陣、球団とファンが一体となって目指す頂点。緑に染まった球場に、その可能性を見た。