進学校・彦根東「赤鬼魂」で初出場
「高校野球滋賀大会・決勝、彦根東3-1近江兄弟社」(29日、皇子山)
滋賀大会では、彦根東が逆転勝ちで夏の甲子園初出場を決めた。左腕エース・平尾拓也投手(3年)が豪雨の中、5安打1失点と好投した。そのほか山口と静岡大会で決勝が行われ、神奈川と三重の決勝は雨天のため順延となった。
夏の甲子園切符を勝ち取った彦根東ナインは土砂降りの雨の中で喜びをはじけさせた。滋賀大会5試合すべてに登板したエース・平尾は「やっと優勝できたと思った」と、安どの表情を見せた。
センバツ出場は3度あるが、夏の甲子園出場は悲願だった。夏の滋賀大会優勝は65年ぶり5度目だが、以前の優勝時は滋賀代表と京都代表で出場1枠を争う京津大会(後に京滋大会)で敗れ、甲子園には届いていない。
村中隆之監督(45)は建学の精神「赤鬼魂」を例に出し「赤鬼魂とは、道を切り開こうとする先人の教え。その精神を持て、と言い続けた。進学校でおとなしい子たちだが、扉をこじ開けてくれた」とたたえた。
同点の五回2死二塁から主将の3番・山中俊亮内野手(3年)の左中間三塁打で勝ち越した。雨で中断を挟む最悪のコンディションにもかかわらず、両校とも無失策。平尾は「初回に点を取られてから気持ちがほぐれた。雨が手にかかり投げにくかったが、バックがよく守ってくれた」と感謝した。県内トップの進学校。文武両道で培った強い精神力を味方に、夏の聖地に見参する。