野球部員逮捕で近大が秋季リーグ戦辞退
大学野球の関西学生野球連盟に所属する近畿大学は2日、硬式野球部の男子学生(18)が7月25日に窃盗容疑で奈良県警に逮捕されていたと発表した。野球部は今月31日に開幕する関西学生野球秋季リーグ戦の出場を辞退し、8月1日から3カ月の活動停止処分にするとした。浦崎直浩部長と榎本保監督は辞任を申し出ており、近く受理される予定。後任は決まっていない。
関西学生野球リーグ最多の優勝44回を誇り、今年の春季リーグを制した名門・近大野球部に不祥事が発覚した。
大学側の発表によると、男子学生は5月8日午後9時5分ごろ大阪府東大阪市の路上で、現金4万2千円などが入ったバッグを女性(65)からひったくった疑いで、奈良県警生駒署に逮捕された。野球部は秋季リーグ戦を辞退し、3カ月の活動停止となる。
82年に新リーグが始まって以降、出場辞退は09年に複数の部員が逮捕された関大以来で2度目。同連盟は1日に秋季リーグ戦の日程を発表したばかりで、31日の開幕カードは近大‐関大が予定されていた。連盟関係者は日程変更を余儀なくされる異例の事態に「開幕日は変えない。その後の日程は、理事会を経て決めることになる」と苦慮している。
事件発覚から発表まで1週間が過ぎたことに、大学側は「事実確認や処分などに時間を要した」と説明した。大学側には浦崎部長と榎本監督から辞任の申し出があり、受理される予定。同監督は持病で7月25日から入院中のためコメントしていない。男子学生は無期停学処分となっている。
近大では2009年にボクシング部員が強盗事件を起こし、廃部となった後、昨年10月に部として復活。今回の事件を受け、大学側は「モラル向上と法令順守のための研修会を学生や指導者に実施し、再発防止に努める」としている。