横浜・渡辺監督、祖父孫鷹「夢のよう」
「全国高校野球」(8日開幕、甲子園)
横浜(神奈川)の渡辺元智監督(68)が、甲子園で実現した“祖父孫鷹”に感慨をにじませた。5日の甲子園練習で、孫の渡辺佳明内野手(2年)と初めて一緒に聖地の土を踏み「こうやって出てこられたのは夢のよう」と、しみじみと胸の内を明かした。
内野ノックでは、一塁に入った佳明に合計5球。普段と同じ練習が、特別な時間になった。1歳から同じ屋根の下で暮らし「自分の息子と変わらない」というだけに「ウチ(横浜)に入れるかどうかは難しい選択だった」と振り返る。それでも「ユニホームを実力で取って、たくましくなってきた」と、孫の成長が願いを現実にした。
佳明も「小さいころからずっと出たいと思っていた。すごいところに立っている実感しかなくて、夢のような30分でした」と、上気した顔で祖父と同じ言葉を口にした。だが、感動もほんの一瞬。「出るだけで終わらず、全国制覇したい」と意気込みを新たにした。
初戦は第6日第1試合で丸亀との対戦が決まった。「6日目は、神奈川大会の疲れをとっていける。いい方にとらえたい」と渡辺監督。甲子園通算50勝の名将の歴史に、新たな1ページが加わる。