西脇工・翁田「上から目線」で堂々完投

 「全国高校野球・1回戦、西脇工4-1岩見智翠館」(11日、甲子園)

 初出場の西脇工が石見智翠館を下し、初戦突破を果たした。兵庫県の公立高校が初戦突破するのは1984年の明石以来、29年ぶり。エース・翁田(おうた)勝基投手(3年)が7安打1失点、8奪三振完投。堂々としたピッチングで観衆4万5000人の期待に応えた。思いつないだ

 三塁側外野席からネット裏までを埋めた西脇工ファンの大声援に後押しされ、翁田が堂々のピッチングをみせた。7安打1失点、8奪三振で完投。「初回は緊張したが、投げるうちに自分のペースをつかめた。応援を力にできた」。ピンチでも表情を変えず「自分の世界に入れた」とマイペースを貫いた。

 7試合すべてに登板した兵庫大会の決勝後、新調した帽子のひさしに「上から目線」と書いた。「打者に対して上から見下ろして投げることを心がけている。ブルペンでも同じです」。勝ち気な投球を心がけるためだ。

 陸上部男子は全国高校駅伝8度の優勝を誇る名門だが、野球部は春夏通じて初の甲子園。周りを囲む大観衆に「これが全国の雰囲気かと思った」とのまれそうになった。

 初回いきなり中前打とボークで無死二塁にされ、2番・酒巻に中前適時打を浴びた。たった4球で先制されたが「一回裏に味方が逆転して、切り替えられた」と、その裏の2点の援護で落ち着きを取り戻した。九回、最後の打者にこの日最速の142キロをマークすると、フォークで空振り三振に取った。

公立高でも!! 中学時代は強豪私学への進学を希望していた。しかし父・八寿男さん(46)に「(実力的に)背番号をもらえるチームに入った方がいい」と説得され、西脇工へ進学。強豪ひしめく兵庫大会を勝ち上がり、全国大会でも1勝を挙げた。背番号「1」にふさわしい好投をみせ「公立高校でも冬にしっかり追い込み練習をすれば、夏に結果が出ると示せた」と胸を張った。

 毎年12月末と1月末のそれぞれ2週間、「底力期間」と称し徹底的に走り込む。陸上部が使う400メートルトラックを最多で25周のランニング。「吐いてしまう選手もいる」(翁田)というほどハードな練習を乗り越えた。さらに毎日、往復で約2時間半かけて自転車通学し、下半身を鍛えてきた。

 2回戦の相手は木更津総合。「次も強い相手なので、自分のピッチングをしたい」。つぶらな瞳は自信に満ちていた。

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