西脇工、粘り及ばず16強入りならず
「全国高校野球・2回戦、木更津総合3-1西脇工」(16日、甲子園)
地元の大声援を受けた初出場・西脇工(兵庫)は木更津総合に敗れ、ベスト16進出を逃した。西脇工のエース・翁田(おうた)勝基投手(3年)は9安打3失点。初回と二回の失点が最後まで響いた。木更津総合はエース・千葉貴央投手(2年)が初回、打者1人で降板したが、救援の笈川翔太投手(3年)が好投した。
兵庫大会7試合917球、甲子園で2試合18回266球を投げた翁田の夏が終わった。球場全体を包む拍手に後押しされ、九回は2死満塁まで詰め寄ったが、8番・稗田が一ゴロでゲームセット。翁田は「終わったなと思った。やり切ったという思いと、悔いの両方がある」と振り返った。
課題にしていた初回の立ち上がり、1死から2連打で先制点を許した。修正できないまま、二回には2死二、三塁から1番・東に左前2点適時打を打たれた。「1回戦は立ち上がりに失点したので、コースを突こうとしたがダメだった。前回より気楽に入れたけれど…」と肩を落とした。
三回からは低めを突いた本来のピッチングを取り戻した。見せ場は五回。内野の失策で1死一、三塁とされたが、2者連続の空振り三振でしのいだ。最速142キロをマークするなど気迫をみせ「最後まで気持ちを込めて投げた」と3年間の集大成を示した。
全国高校駅伝8度優勝の陸上部のトラックを借りた走り込みにも音を上げず、陸上部OGで天満屋陸上部の姉・あかりさん(19)譲りのスタミナで、夏の連戦にも耐えた。地元の公立校で強豪私学を倒し「ここまでやれるんだ」という強い気持ちを聖地で貫いた。
「陸上部は全国で上位だが、野球部はまだまだ負けている。後輩には、全国で上位を狙えるように頑張ってもらいたい」と夢を託した。