長野が逆転3ラン!原Gマジック32
「巨人7‐2中日」(17日、東京ド)
打席からバックスクリーンまで、打球は糸を引くように伸びていった。1点を追う六回。2死一、二塁の好機で、巨人・長野が決めた。14号3ランが、12球団最多となる今季31試合目の逆転勝ちを呼び込んだ。阪神はヤクルトに勝ったが、自力でマジックを1つ減らして32とした。
前の打席。四回1死一、二塁で遊ゴロ併殺に倒れた後だった。中堅の守備に戻ると、スタンドから声が飛んできた。「切り替えろ!!」。ストレートなゲキに燃えた。待ちに待った次の打席で倍返し。「ゲッツーは一番流れが(相手に)いっちゃう。気持ちをリセットして思い切り振りました」。これで最近10試合での6勝中4試合目の決勝打。勝負強さが際立つ。
好調のチームにあって、6月まで打率2割台前半と苦しんできたが、夏場に入って復調気配だ。7月の月間打率・313に続き、8月は同・338とさらにペースアップ。橋上戦略コーチは「(春は)本人の状態がよくないので、昨年と比べても(対戦相手の)データを聞いてくることが少なかったけれど、球宴明けから状態がいいので、少しずつデータを聞きにくるようになった」と明かす。打撃の調子が上がるとともに相手に目を向ける余裕も出てきている。
試合後、原監督は「まだまだ(本来の打撃を取り戻すために)闘っていると思います」と長野を評した。さらに、さらに、上へ。背番号7の脅威は増すばかりだ。