内海4年連続10勝!巨人M30再点灯
「ヤクルト0‐2巨人」(20日、長野)
4年連続の2桁勝利達成は、“らしさ”全開のマウンドとなった。序盤、巨人・内海の調子は決してよくなかった。初回2死満塁のピンチをつくり、ヒヤヒヤさせた。ベンチに戻ってきた女房役の阿部が、川口投手総合コーチに「全然、球が来てないです」と漏らしたほどだ。
でも、崩れない。二回から四回は3イニング連続で併殺でピンチを脱し、リズムに乗った。常々、「粘りが持ち味」と口にする左腕の真骨頂だった。
試合中の投球の変化を、川口コーチはこう解説する。「ゲッツーを重ねるうちに、相手がボールに差し込まれるようになった。最初は(打者が)泳がされていた。いいときは体重移動がうまく、差し込まれるようになる」。悪いなりに試合をつくり、つくっているうちに修正する。7回2/3を無失点に抑え、完封リレーを呼び込んだ投球には、内海の技が詰まっていた。
試合前から、登板過多のリリーフ陣を少しでも休ませると燃えていた。東京ドームでのデーゲームだった18日の中日戦後には都内で投手会を開催。バーベキュー大会で結束を高めた。心優しきリーダーの下で投手陣は1つになっている。
阪神が敗れたため、マジック30が再点灯。原監督は「ほかのスターターたちの呼び水となってくれるでしょう」と期待した。屋外球場6連戦の初戦、内海が先発陣に勢いを与えるスタートを切った。