金子惜しい!八回2死まで無安打投球
「ソフトバンク0-2オリックス」(21日、ヤフオク)
勝てたことが、何よりうれしい。八回2死まで無安打投球で、今季3度目の完封勝利。エースとしてオリックス・金子が誇るのは、快挙まであと一歩の好投ではない。「ノーヒットなのは分かっていたが、野球はそのためにやるわけじゃない。連敗中だったので、勝てて納得している」。大事なのはチームが借金10に転落する危機を救ったことだった。
付け入る隙を与えなかった。「全体的にまとまっていて、打者に迷いが出たと思う」。カットボールにシュート、チェンジアップなど多彩な変化球を自由自在に操った。テンポ抜群の111球で、被安打はわずか1。これで9度目を数える完投数や投球回、奪三振では、開幕17連勝中の楽天・田中をも上回る。
エースらしさは、普段の練習から表れる。手を抜きがちなダッシュでも、目標のコーンを走りきるまで速度をゆるめない。「投げる時もリリースまで力を入れるなら、走る時も手は抜けない」と、すべての準備をやり抜くのがモットーだ。
森脇監督も「金子で負けは許されない。金子で勝って、いかにほかの投手で勝つかが浮上の鍵」と語る。その絶対的存在は、最下位からの巻き返しへ「まだ、あきらめていない」と力強く言い切った。