燕バレ3戦連発51号で月間新17本
「ヤクルト7‐11中日」(28日、神宮)
この男、一気に勝負をつけるつもりだ。九回1死で迎えた第5打席、ヤクルト・バレンティンが高々と打ち上げた打球は左翼席最前列へ飛び込んだ。「入る感触ではなかったけど、うまくバックスピンがかかったのと、ポール際は打球が伸びるので入ってくれた」と、3試合連発で、あっさり51号だ。
2打席は凡退。五回の2死三塁で迎えた第3打席は、カウント3‐0からの4球目を「本塁打になる球じゃなかったが、三塁走者もいたし、ヒットゾーンに打ち返せる球だと判断した」と、狙い澄まして中前適時打にする器用さもみせた。
これで8月は17本。門田(南海)、江藤(広島)、阿部(巨人)と16本で並んでいた月間本塁打の日本記録を更新した。年間55本塁打の大記録に迫っても「プレッシャーは感じない」という。プロ初本塁打、球団最多本塁打、来日通算100号と、節目のアーチは、いつも神宮球場にかけてきた。9月1日まで神宮で4試合した後は、週明けから1週間、北陸、名古屋遠征になる。
この男、9月1日までに球史を塗り替えようと考えているのか。「55号も56号も、神宮のヤクルトファンの前で打てるのが1番。ベストを尽くしたい」とにっこり。4試合で残り4発でも、今のバレンティンなら夢ではない。