則本“マー君超え”12勝!楽天M26
「オリックス2-4楽天」(29日、ほっと)
重圧を力で跳ね飛ばした。楽天・則本が7回5安打2失点の力投で12勝目。07年にエース田中がマークした11勝を超え、球団新記録を樹立した。球団史上初めて点灯した優勝マジックも2つ減り、26に。22歳は「12勝は通過点。15勝を目指して突っ走りたい」と言い放った。
圧巻は七回の投球だった。駿太、安達、斎藤の下位打線を3者連続三振。最速148キロの直球を主体に、格の違いを見せつけた。六回、李大浩に2ランを浴びたが、追撃を振り払う気迫の投球。自身初の2桁奪三振。118球の熱投だった。
ハプニングにも屈しなかった。二回。フェルナンデスの打席で突然、高校野球さながらのサイレンが誤作動で鳴り響いた。試合は中断。場内は騒然となり、フェルナンデスには四球を与えた。無死一、二塁とピンチを広げたが「特に気にしなかった」。後続を抑え、流れを渡さなかった。
星野監督は先発の駒不足を嘆き、首位の現状を「世界の七不思議」と表現する。それでもエースの田中、則本の2枚看板は他球団にとって脅威。両投手で23の貯金を稼ぎ、その貢献度は計り知れない。
今季の新人ではヤクルト・小川に並ぶ勝利数となり、新人王にも大きく前進した。だが、則本はマジックの話題に笑みすら浮かべず「まだまだ試合はある。気にせず、一戦必勝でがんばっていきます」と締めた。勢いを緩めることなく、一気に頂点まで突き進む。