G村田セ新月間46安打「よくこんなに」
「巨人6‐9中日」(31日、東京ド)
すごみを増した4番が偉業を打ち立てた。二回。巨人・村田がカブレラの直球を確実に捉え、右前に運んだ。月間46安打をマークし、セ・リーグ新記録となった。その瞬間、スタンドから盛大な拍手がわき上がった。
「素直にうれしいです。特別な緊張感はありませんでしたが、1本打ちたいという気持ちはありました。振り返ると、よくこんなにいっぱい打ったなと」としみじみ語った。
その後の打席でも集中力は切れなかった。五回には2死一、三塁で強いゴロを二塁森野の好守に阻まれた。それ以外の打席は2四死球。「記録も大事ですけど、調子を崩すわけにはいかない」。2打数1安打。2リーグ制後、96年8月のイチロー(オリックス)の月間最多48安打には届かなかったが、記録に固執することはなかった。
特筆すべきは左打ちが有利、との球界の“定説”がある中でヒットを積み重ねたこと。しかも8月は10本塁打とアーチも量産した。原監督は「究極はボールを追いかけて打たないこと」と打席での“間合い”を絶賛しつつ、「僕のバッターの域では、はるかに上のことだから論ずるのは難しい」と苦笑したほどだ。
この日、チームは敗れたが、4番の存在感は際立っていた。村田は「大事な時に調子が上がって貢献できていると思う。1日でも長く続けていけば優勝も見えてくる」と視線を歓喜の瞬間に向けた。