我慢の仙さん0‐0でM再点灯お預け
「楽天0‐0西武」(4日、K宮城)
本塁が遠かった。延長十二回を戦い0‐0のドロー。決着がつかず、楽天・星野監督は無念さをにじませて足早にダッグアウトから引き揚げた。「十亀がよかった。なかなか思うようにいかないのが野球であって人生だろ」。静かな口調で淡々と振り返った。
西武に勝ち、ロッテが敗れれば、マジック22が再点灯する一戦だったが、打線はたったの3安打に終わった。二回には枡田、松井、嶋が十亀の前に3者連続三振。先発の美馬が立ち上がりから力投を続け、8回無失点。長谷部、青山、金刃が無失点でリレーした力投も報われなかった。闘将は先発美馬について「今年一番よかった。勝たせてやりたかった」と振り返った。
前日はジョーンズ、マギーの今季6度目のアベック弾で9月初勝利を挙げたが、星野監督は決して楽観視していなかった。「日本人が最近、打っとらんやろ」。キーマンに挙げる枡田の不振は深刻だ。8月30日のソフトバンク戦で安打を放って以降、19打席無安打で計12三振を喫する絶不調。バットに当たらない苦しみか、この日も天を仰いで悔しがった。
球団創設9年目で初優勝の期待がかかる中で、この日は球団史上最速となる主催試合58試合目での観客動員100万人突破。盛り上がりを見せる本拠地で、打線が火を噴かなかった。「東北のファンに元気を」と言う星野監督だが、ナインは優勝の重圧に苦しんでいる。