阿部ビックリ!ファウルが本塁打“判定”
「巨人2-1DeNA」(11日、東京ド)
ビデオによる判定は10分以上に及んだ。1点リードの五回。2死一塁で巨人・阿部の打球が、右翼ポール際へ飛んだ。一時は本塁打と判定され、ベースを一周。スコアボードに得点の「2」が刻まれた。だが、DeNA中畑監督のアピールで、審判団はビデオを確認。球場がざわつく中、判定はファウルに変わった。
カウント1ストライクからのやり直し。それでも阿部は冷静だった。「ホームランになってビックリした。審判には、そう見えたんでしょう。人間がやることだからしょうがない」。ボールを見極めてフルカウントから四球を選び、2死一、二塁。しかし続く村田が遊ゴロに倒れ、この回無得点に終わった。
流れが変わってもおかしくない展開。でも原監督が「正しいジャッジが行われた」と振り返ったように、この判定に心を乱されず、勝ちきる強さが巨人にはある。ラッキーには頼らない。先発の宮国が6回1失点と好投し、1点リードの七回からは山口、マシソン、西村がそれぞれ1イニングを無失点でつないだ。指揮官は「守り勝ち」と投手陣をたたえた。
2位・阪神が敗れ、マジックはついに1桁の「9」。「早めに減らすことしか我々にはできない。まだ近いようで遠い数字」と原監督。焦らず、騒がず、カウントダウンを進める。