ロッテ角中走った!ビックリ2ラン犠飛
「西武6-9ロッテ」(14日、西武ド)
隙あらば先の塁を狙う、常に全力疾走を怠らない。その姿勢が、世にも珍しい2ラン犠飛につながった。
決めたのはロッテ屈指の俊足・角中だ。七回。2点リードしなおも1死満塁。鈴木が中飛を放ち、三走が本塁を踏んだ。ここまではよくあるプレーだが、さらに二走の角中も本塁を狙っていた。
前進守備の秋山が、背走キャッチで体勢を崩す。それを見るや、清水三塁ベースコーチが腕を回した。迷いなく三塁を回った角中は、一気に本塁生還。見事な好走塁を決め、両手をたたいて喜んだ。
「コーチャーが止めるまでは、全力で走るのは当たり前。普通のプレーです」。決勝弾を放つなど、打って走って大活躍の角中は涼しい顔で振り返ったが、清水コーチは「いいかげんに走っていたら回せない。あれはカク(角中)を褒めてやらないと」と絶賛した。
伊東監督は選手時代の87年日本シリーズ、中前打でクロマティ(巨人)の緩慢返球の間に一走・辻(西武)が本塁を陥れた“伝説の走塁”を体験している。走塁には厳しい指揮官も「準備ができていないとできないプレー。あれは大きかった」と勝利につなげた走塁を手放しで称えた。