「日本ハム３‐７楽天」（２１日、札幌ド）

　不振に陥っていた男が、脱出への光を見た。楽天・枡田が８月２３日以来となるマルチ安打。四回１死二、三塁から、決勝点となる右前適時打を放ち、マー君の２２連勝をアシストした。

　塁上で小さくガッツポーズした。「苦しかったです。いつぶりか忘れましたけど、チャンスで打てて良かったです」。タイムリーは、８月３０日のソフトバンク戦以来３週間ぶり。七回無死からは、中越え二塁打を放ち、持ち前の長打力を見せつけた。

　同期の銀次とともに、打力を買われて昨季から台頭している星野チルドレン。絶不調の９月も「俺は使うよ」と指揮官は粘り強く起用した。枡田自身も「監督を胴上げしたい」と強く誓う。ＣＳ、日本シリーズをにらんだ場合、この男の復調はチームに不可欠だ。

　四回に逆転し、七回に追加点、九回にだめ押しの４点を取って完勝。着実にマジックを減らした。星野監督は試合後「（田中が）ゲームにしてくれたら、目標がある方の勝ちよ」と、うなずいた。最短Ｖへ、ナインはひとときも止まらずに走り続ける。