「西武４-３楽天」（２４日、西武ド）

　一気に王手とはいかなかった。楽天はサヨナラ負けで連勝は４でストップ。ロッテも勝ってマジックは３のまま、最短Ｖは２６日に持ち越された。だが、星野監督は「（青山は）ちゃんちゃらおかしいな」と、笑みすら浮かべる余裕もあった。

　終盤に落とし穴が待っていた。２点リードの八回、則本が突然の乱調。秋山、中村に連続適時打を浴びるなど、痛恨の３失点で逆転を許した。九回１死から、枡田が起死回生の同点ソロを放ったが、最後は３人目の青山が踏ん張れなかった。

　それでも悲願の初Ｖは確実な状況だ。試合前、星野監督は報道陣に「（優勝の）予想日はいつなんだ？」と問いかけた。続けて「向こう（ロッテ）は３連勝するよ」と付け加えていた。２位・ロッテの対戦相手はどん底の日本ハム。自力でマジックを減らす意気込みを示していたが、この日ばかりは西武の執念に屈した。

　だが、岡島やマギーが好守を連発。枡田が土壇場で一発を放つなど、底力は見せた。「自分のチームは欠点ばかり目が行ってしまって気づかないんだけどな。最近、他球団からも『いいチームになりましたね』と言われることが増えたな」。闘将も、チームの成長を感じずにはいられない。

　バスへ乗り込む間際、星野監督は「向こう（ロッテは）は勝つに決まってるじゃん。負けたんだから仕方ないよ」と話した。たかが、１敗。仕切り直しの一戦で、今度こそ王手をかける。