巨人が、神奈川県川崎市内のジャイアンツ寮に住む選手に対し、ジャイアンツ球場への自転車通勤を禁止していることが６日、分かった。

　この日は投手指名練習を終えた１９歳の今村がクラブハウス前で待機していた。普段なら自転車で帰っていくのだが…。しばらくするとジャイアンツ寮の内田寮長がワゴン車で駆けつけ、今村を乗せて帰って行った。

　発端は大田の自転車転倒事件だ。４日にジャイアンツ球場に向かう際、雨でぬかるんだ地面でタイヤがスリップして転倒。全身の打撲と手足の擦り傷でバットが握れなくなり、予定されていた宮崎県内で行われるフェニックスリーグへの参加も白紙となった。異例の禁止令は第２の事故を未然に防ぐための措置だ。

　寮から球場までは自転車で１５分ほど。車の所有を認められていない若手選手たちは一般的に自転車で練習に向かっていた。この“通勤路”はアップダウンが激しく、下り坂ではスピードも出がち。球団関係者は「大田選手のケガもあり、安全性の観点から当面は自転車での移動を禁止しております」と説明した。

　現在は寮生の多くがフェニックスリーグのため宮崎入りしており、影響はあまり大きくない時期。それでも居残りの寮生は、愛車を持つ選手との乗り合いや、寮長にワゴン車で送迎してもらうなどの方法で移動することになる。