G原監督、大胆采配で勝利つかみ充実感
「セCSファイナルS・第1戦、巨人3‐2広島」(16日、東京ド)
大満足だった。勝利の瞬間、巨人・原監督は思わず白い歯をこぼした。巨人がCSファイナルSを戦うのは6度目だが、第1戦で勝つのは初めてだ。「どういうゲームでも初戦を取るのはいいと思います」と充実感に浸った。
思う存分、勝負手を使った。四回。1‐2とし、8番の亀井が四球で2死満塁。ここで大胆に動いた。打席に向かう途中のエースの内海に、代打・石井を送った。どよめく東京ドーム。内海も複雑な表情を浮かべた。だが指揮官は、口を真一文字に結び、意に介さなかった。
石井は三振に倒れたが、明確な狙いがあった。「亀井に対して全く勝負していないように見えた。(広島に)気持ちよく終わらせたくなかった」。内海で四回の攻撃を終えるより相手にプレッシャーをかけることを選んだ。勝利だけを目指した方針はぶれなかった。
動きまくった。沢村、山口、マシソン、西村の必勝パターンを惜しげもなくつぎ込み、必勝パターンに持ち込んで守り勝ち。攻撃的な采配が実を結んだ。
ベンチで会心の笑みを浮かべるなどいつもより表情が豊かだった。「久しぶりに緊張したね。修行が足りないんで。ポーカーフェースはできない」と苦笑い。大事な一戦で指揮官も“躍動”した。